昨今注目されている抗菌コーティングですが、細菌を減らして衛生環境を良くすることができるメリットがあります。しかし同時に、抗菌コーティングの施工には注意点もあります。

この記事では、抗菌コーティングに対する理解を深めて正しく利用できるように、メリット・デメリットを詳しくご紹介します。また、コーティング剤の種類や施工手順のほか、市販されているおすすめのコーティング剤もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

抗菌コーティングとは?

抗菌コーティングとは、抗菌効果のある液剤を塗ることで表面をコーティングし、保護することを言います。細菌の増殖が抑えられることはもちろん、表面を保護することにより防汚、防カビ効果も同時に得られるものがあります。

特に水回りでは雑菌が繁殖しやすく、ヌメリや嫌なニオイに困ることも多いですが、抗菌コーティングを施すことでこれらを防ぎ、楽に掃除することができるようになります。また、直接手に触れることの多いスマートフォンにも有効です。

抗菌コーティングの効果(メリット)

抗菌コーティングをすることによって、次のようなメリットが得られます。

細菌の発生、増殖の抑制

まず一つは、細菌の発生、増殖の抑制です。コーティングすると雑菌が繁殖しにくくなるため、水回りなどではヌメリ、嫌なニオイも予防できます。衛生面も向上するため、子どもや赤ちゃんがいても安心です。また、コーティング剤によっては、抗菌に加えて防汚、防カビのできるものもあります。

メンテナンス性の向上

次に、メンテナンス性の向上です。コーティング剤で表面が保護されるため、素材の劣化を防ぎます。また、防汚効果のあるものは、汚れても拭き取れば簡単にきれいにすることができます。

コーティング剤によっては見た目もより良い状態でキープできます。例えば、ガラスコーティングでは素材の光沢感をアップして高級感を得る、美しさを保つといったメリットもあります。

持続性がある

最後に、効果の持続性です。コーティング剤の種類や素材の材質・性質によって期間はまちまちですが、一度コーティングを施せば一継続的に効果を得ることができます。

抗菌コーティングの注意点(デメリット)

抗菌コーティングを施工する場合には、次のことに注意しましょう。

価格差がある

一つは、費用面についてです。クリーニング業者や塗装業者、あるいはコーティング専門業者に依頼する場合、コーティング剤に加えて人件費、手数料、交通費といった他の経費が必要となり、コーティングする箇所によっては非常に高額になってしまうことがあります。

スケジュール調整が必要

壁やインテリア、水回りなど自宅や職場など様々なところにコーティングが可能ですが、コーティング剤がきちんと乾燥するまで利用できないことがあります。広い範囲をコーティングする場合にはスケジュール調整などが必要です。

この頃はスマホやタブレット、腕時計など身近なアイテムのコーティングも注目されていますが、小物だったり施工範囲が狭い場合には、市販品を利用して自分で施工した方が便利です。

施工物へ相性がある

コーティング剤にはいくつかの種類がありますが、例えば酸化チタンを使った「光触媒抗菌コーティング」では、チタン自体の色が白なので、白いものには合うが黒いものには合いません。また、特性上、酸性に弱いものには向きません。このようにコーティング剤と施工物との相性に注意しましょう。

抗菌コーティングの種類

抗菌コーティングの種類は、主に次の3種類があります。

光触媒(酸化チタン)

光触媒とは、酸化チタンの抗菌作用を利用したもので、光が当たったときに効果を発揮します。光が少ない部分に使用する場合は、コーティング剤にナノ銀や銅を配合していることも多いです。

金属系の合成抗菌(銀、銅など)

また、細菌は金属を嫌う性質があるため、ナノ銀や銅などの金属成分が配合されているコーティング剤もあります。市販の抗菌コーティングの商品には、銀イオンが配合されたスプレータイプのものも見られます。

その他(天然由来成分を使ったものなど)

それ以外のコーティング剤には、グレープフルーツの抽出エキスなど、抗菌作用のある自然由来の成分を配合するなどしたものがあります。人体や環境にやさしく、取り扱いやすいのが特徴です。

抗菌コーティングの施工方法

これらの抗菌コーティングの施工方法は、ハウスクリーニング業者、塗装業者、コーティング専門業者に依頼する場合や、市販のコーティング剤を使って自分で行う場合がありますが、基本的に施工方法は同じです。

施工の手順は、以下の通りです。

  1. コーティング部分の汚れを落とす
  2. コーティング剤を塗布(スプレー上のものは吹きかける)
  3. むらなく伸ばす、磨く
  4. 乾かす

※場合によっては、2~3を数回繰り返す。

抗菌コーティングを施す場合は、まずコーティングする部分の汚れや油を丁寧に落とす必要があります。汚れの上からコーティングしても正しい効果は得られませんので、念入りに行いましょう。

コーティング剤は、スプレータイプのものもあれば、液状になっているものもあります。また、種類によってはクロスに吹きかけ、伸ばしていくという方法もあります。自分で行う場合は、商品説明をよく読んで従うようにしてください。

市販のコーティング剤は、回数を重ねるほど効果増すものもあります。また、業者に依頼するよりは持続期間が短くなるため、持続の目安などを参考にしながらメンテナンスするようにしましょう。

抗菌コーティングできるもの

抗菌コーティングは、さまざまなものに対して施工できます。以下の表は、分野ごとにコーティングできるものの例をまとめたものです。これ以外にも、多くのものに施行可能です。

分野 対象物
キッチン 換気扇、レンジフード、天板、吊り棚、戸棚、壁タイル、手元照明、シンク
浴室 天井、壁、床、浴槽、洗面スペース、蛇口、換気口、照明、ドア、排水溝
トイレ 便器、タンク、据付棚、照明、ペーパーホルダー、ドア
洗面化粧台 洗面ボウル、天板、蛇口、照明、収納棚
建物 壁、床、天井、手摺、ドアノブ、ドア
家具 イス、テーブル、ベッド
家電 エアコン、冷蔵庫、洗濯機
日用品 スマートフォン、メガネ、アクセサリー、赤ちゃん用品

自分でもできるおすすめ抗菌コーティング剤

抗菌コーティングは、ハウスクリーニング業者や塗装業者にお願いすることもできますが、日用品や雑貨などちょっとしたものであれば自分で行うこともできます。

また、床もフローリングワックスに抗菌剤が入っているものもあるため、ワックスがけと同時に抗菌コーティングが可能です。

ここでは、日用品や雑貨を簡単に抗菌コーティングできるおすすめグッズをご紹介します。

DEOCOAKIN(デオコーキン)消臭・抗菌・コーティング剤 DC-150

銀系酸化チタンを使用した抗菌コーティング剤です。スマホやタブレット、メガネ、貴金属などさまざまなものに利用できます。5nmの超微粒子で、ナノレベルで表面のでこぼこを滑らかにし、皮脂や汚れをガードしてくれます。

コモライフ ガードナノ衣類コート剤

衣類や布類専用のコート剤です。花粉やPM2.5、ウイルスよりも小さいナノ微粒子が繊維のすきまに入り込んで衣類をコーティングして守ります。これにより、抗菌、防カビ、防汚効果が期待できます。

LIQUID_hack(リキッドハック)LIQUID_hack for Home MR-004-LIQUID-HM

リキッドハックフォーホームは、静電気を利用した微弱荷電コーティングです。有機溶剤を使っていないため、人体に悪影響を及ぼすこともありません。お風呂、キッチン、窓ガラスのほか、防水性のある物であれば使用することができます。抗菌のほかにも、撥水、防汚、消臭効果が期待できます。

まとめ

抗菌コーティングのメリットやデメリットと、コーティング剤の種類、施工の手順などをご紹介しました。

コーティング剤には、光触媒の酸化チタンのものと、金属・金属イオン系のもの、そしてそれ以外のグレープフルーツなど抗菌作用のある自然由来の成分を用いたものといった種類があります。市販のコーティング剤には、これらのものが混在しているため、購入する際には注目してみると良いでしょう。

またコーティング剤と施工物との相性もありますので、市販のコーティング剤を利用する場合には説明書をよく読み、使用できる箇所や素材をチェックしましょう。

自分でも比較的簡単に抗菌コーティングができるものもありますので、雑貨や日用品などをコーティングしたい場合は挑戦してみてはいかがでしょうか。