食品を取り扱うキッチンは、家の中でもきちんと衛生管理しておく必要がある場所です。キッチンに雑菌やウイルスが増殖してしまうと、わたしたちが口にする食事や、食品を載せる食器、箸やスプーン、カップなどにも雑菌やウイルスが付着してしまう可能性があるためです。

さまざまな病気や体の不調が出てしまう前に、しっかりとキッチンの抗菌や抗ウイルス対策に取り組んでいきましょう。

そんな時に役立つように、この記事ではキッチンの抗菌対策のやり方やおすすめのグッズをご紹介していきますので参考にしてください。

キッチンには目に見えない雑菌がたくさん!

いくら綺麗にしていても残念ながらキッチンには非常にたくさんの菌が棲んでいます。というのも、キッチンでは料理を作るという性質上、食品のくずや食べかすが残りやすく、それらに雑菌が付着、増殖しやすいからです。たった10個の細菌が24時間以内に100万個にまで増殖することもあると言われています。

特に排水口や三角コーナーのあるシンクは、キッチンの中でも雑菌が増えやすい場所です。ここには何万個もの雑菌がいる可能性もあります。

そして意外と見落としがちなのは、冷蔵庫や戸棚の取っ手、コンロのつまみや照明などのスイッチです。シンク周りの他に、火を通していない生肉などにも細菌は付着しています。つまり、シンク周りで用事を片付け、肉を切ったその手にも多数の細菌が付着している可能性もあるということです。

そのまま冷蔵庫やコンロを触れば、当然そこにも細菌が付着、増殖していることもあるでしょう。知らず知らずのうちに、自分自身がいろんな場所に細菌を広げてしまっているということを意識しておく必要があるでしょう。

こうしてみると、キッチンの抗菌対策がいかに重要になってくるかがよくわかると思います。では、具体的にどのような方法で抗菌対策ができるのか確認していきましょう。

キッチンの抗菌方法

キッチンの抗菌方法は大きく分けて2つです。既存のものにコーティングを施す「抗菌コーティング」、または、「雑菌が増殖しにくいグッズや設備」を使う方法です。もちろん雑菌が増えすぎないようにこまめに掃除をするというのも有効ですが、ここではこの2つをご紹介していきます。

抗菌コーティングする

抗菌作用のある成分を含んだコーティング剤を抗菌したいものの表面に塗ることによって効果を得る方法です。抗菌コーティングは、一度施しておけば効果が一定期間持続します。そのため、日頃の掃除やメンテナンスの手間も少なくなるなど、副次的な効果も得られるため、おすすめの対策方法です。抗菌コーティングについては、次の項目でさらに詳しくご紹介します。

抗菌グッズ・設備を使う
キッチンの抗菌には、抗菌グッズや設備を使う方法もあります。

例えば、さまざまな食材が触れるまな板や包丁などは、製造段階で表面が抗菌加工されているものがあります。こういった「抗菌グッズ」は、抗菌作用のある金属などを素材に練り込む、あるいは結合させたり、表面に塗ったりすることで抗菌効果を得る仕組みのものがほとんどです。

まな板や包丁の他にも、調理中に使うトングやしゃもじ、食器など、キッチン周りで使用するグッズは抗菌加工されているものが多いです。

また、キッチン設備自体に抗菌加工が施されているものもあります。雑菌の繁殖しやすいシンクや棚、浄水器のカートリッジなどさまざまな抗菌設備があります。

加えて、除菌効果のある水を定期的に噴出し、菌の増殖を防ぐことのできる設備もあります。TOTOの「きれい除菌水」の設備では、次亜塩素酸という除菌成分を含む水を出すことで、シンク周りの雑菌の繁殖を防ぐ仕組みです。また、最後のシンクの使用から8時間経つと自動的に霧を噴出する設定もできるようです。

キッチンの抗菌コーティングとは?

雑菌が増殖しやすいキッチン周りは、抗菌コーティングを施すことをおすすめします。ここでは、抗菌コーティングの効果や施工方法について、詳しくご紹介していきます。

効果

キッチンのコーティングには、「フッ素系」「シリコン系」「ガラス系」の3種類があり、抗菌の効果が得られるのは「ガラス系」のものです。ただし、他2つのコーティングにおいても、防汚、撥水などの効果が得られるため、汚れにくくなるという効果はあります。

キッチン周りは、ヌメリやニオイといったトラブルが起こりやすいです。これは細菌が増殖することによって起こります。抗菌コーティングを行うことで、このようなヌメリやニオイも抑える効果があります。

また、表面をコーティングすることにより、汚れを防ぎ、汚れても落としやすい状態にすることができます。これにより、日々の掃除の手間が軽減します。加えて、一度コーティングを施せば、3~5年など長期的に効果が持続します。

施工方法

キッチンの抗菌コーティングの方法としては、業者に依頼する方法と自分でDIYする方法があります。抗菌コーティングをしてくれる業者には、ハウスクリーニングの業者やリフォーム会社などがあります。またリフォーム会社独自に抗菌加工のされたキッチン設備を販売しているところもあります。

自分でDIYする場合は、市販のコーティング剤を使用します。さまざまなコーティング剤が販売されており、インターネットの通販サイトでも手軽に手に入れることができます。業者に依頼したときのように、クリーニングをしてからコーティング剤を塗布する流れで行うものもあれば、通常の掃除を行うときに洗剤と同じように利用するものなど、それぞれの商品によって使用方法はさまざまです。

費用

業者に依頼する場合、クリーニングの必要な中古のキッチンであれば38,000~66,000円、新築であれば22,000~55,000円が相場となります。

DIYの場合、2,000~5,000円が相場になります。また、コーティング剤は何回か使用することができたり、気になる場所に随時施工していくことができますので使い勝手もよくおすすめです。

キッチンの抗菌ができるおすすめコーティング剤

キッチン・シンクの撥水コーティング 掃除セット

ステンレスシンク専用のコーティングセットです。コーティング剤の他、水アカ取りとコーティング用のマイクロファイバータオルが入っています。これ自体には抗菌の効果はありませんが、汚れを落とし防ぐことと撥水効果により、細菌の付着、増殖の効果も得られます。

グッドライフコート 水まわりキッチン浴室洗面台の洗浄・コーティング剤 キープクリーン

普段のお掃除の時に洗剤と同じように使用できるコーティング剤です。イオンコートの被膜を表面につくり、長期間キープすることで、防汚、消臭、抗菌効果のほか、撥水効果も期待できます。また、カビも防ぐため、日々のお手入れの手間も少なくなっていきます。

デオコーキン DC-500 抗菌 消臭 防汚 コーティング スプレー

キッチンだけでなく、さまざまな場所に使うことのできるスプレータイプの抗菌コーティング剤です。銀系酸化チタンを利用しており、SIAA(抗菌製品技術協議会)が認定している抗菌剤です。抗菌効果の他、消臭、防汚を防ぎます。

抗菌対策でいつでも清潔なキッチンに!

食材の残りかすや水滴が残りやすいキッチンは、家の中でも細菌が付着、増殖しやすい場所です。そのため、病気や体の不調を予防するためにも、しっかりと抗菌対策をしていきましょう。

抗菌対策にはいつくか種類がありますが、その中でも抗菌コーティングがおすすめです。市販のものを利用すれば簡単に施工することができて、費用も2,000~5,000円程度で済みます。

ただし、抗菌効果を明記している商品もあれば、「防汚」「撥水」効果で留まるものもありますので、消費選びの際はしっかりと商品の効果をチェックするようにしましょう。