「抗菌」「抗ウイルス」というと、どうしてもキッチンやトイレ、お風呂場などの水回りに目がいきがちです。しかし、「フローリング・床」にも注意しなくてはいけません。
フローリングはホコリや髪の毛などの生活汚れ、食事の食べこぼし、そして、皮脂汚れなど、さまざまな汚れが蓄積しやすい場所です。普段からこまめに掃除をしていても、これらの汚れを完璧に防ぐことは難しいでしょう。
しかし、こうした汚れが細菌やウイルスの温床となってしまうため、抗菌・抗ウイルス対策をしておくことが有効になります。
この記事では、フローリングの抗菌対策の方法と、その中でもおすすめな「抗菌コーティング」について詳しくご紹介します。自分でコーティングできる市販の商品もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
フローリングにも雑菌・ウイルスがたくさんいる?!
洗剤や石鹸などさまざまな衛生商品を販売している花王株式会社が、家の中の菌やカビについて調査をしたことがありました。この調査によると、リビングの床のホコリ1g当たり、約200万個の菌と約90万個のカビがいたことが分かったそうです。
棚の上や照明のカサなど、普段掃除が行き届きにくいところにもホコリは溜まりやすいですが、このような高い場所ではホコリ1g当たり菌が10万個、カビが約6万個と、細菌は床の20分の1、カビは床の6分の1以下となっていました。また、子どものいるご家庭ではさらに菌の数が多いというデータもありました。
加えて、リビングの床は、トイレの床よりも菌数が多いことも分かっています。リビングは人が多く集まることや、食事をして食べこぼしなどで汚れる可能性が高いということが原因と考えられています。
また、裸足で過ごす習慣がある方は特に注意が必要です。床に足裏の皮脂汚れが付着すると、それをエサとして細菌が増殖してしまいます。ホコリを綺麗に取り除いても、目に見えない汚れによって細菌が増える可能性もあります。
こうしてみると、フローリングや床には非常に多くの細菌がいることがよくわかります。日々の掃除はもちろんですが、それだけでは不十分かもしれません。やはり、抗菌・抗ウイルス対策を行ってご自身や家族の健康を守ることが大切です。では、具体的にどのような対策があるのか確認してきましょう。
フローリングの抗菌方法
フローリングの抗菌方法としては、以下の3つが挙げられます。それぞれどういった特徴があるのか、メリット・デメリットを含めて詳しくお伝えしていきます。
抗菌加工されたフローリングにリフォームする
抗菌加工されたフローリングが商品化されていますので、こちらを利用したリフォームも抗菌対策の一つです。これは、抗菌作用のある金属などが素材に練り込まれていたり、表面に塗られていたりして、フローリングそのものに抗菌効果があるものです。
ただし、基本的に専門の業者に依頼することになると思いますので、フローリング全面を張り替えると費用も高額になってしまいます。また、リフォームにあたり部屋のものはいったんすべて移動しなければいけません。また、施工が終わるまで部屋を使うことができないというデメリットがあります。
部屋の広さやフローリングの材質によっても費用は変わりますが、一般的なリフォーム費用は60~90万円です。今あるフローリングの上から重ねる「上張り」という方法ではこれよりも費用を抑えることができますが、床に段差ができてしまうこともあります。
金銭的なことを考えると、抗菌対策のためだけにリフォームするというのは、あまり得策とは言えないでしょう。「和室を洋室にリフォームしたい」など、他にリフォームする理由がある場合に抗菌効果のあるフローリングを選択するといいでしょう。
では、リフォームのような大掛かりで高額な費用もかけない対策を確認しましょう。
抗菌グッズを使う
先にも触れましたが、フローリングの中でも菌が多いのがホコリです。そのため、こまめにフローリングの掃除を行うことも抗菌対策としては有効です。フローリングは掃除がしやすいという利点もありますので、気が付いたときにフローリングワイパーをしてホコリを取り除くようにしましょう。
しかし、いくら掃除をしてもホコリや汚れがゼロになることはありません。かといって、細菌やウイルスを心配しすぎて掃除ばかりするのも精神衛生上よくありません。また、掃除は苦手だったり、忙しくて時間のないか方も多いはずです。
そこで、細菌の増殖を事前に予防する、もしくは掃除の手間が少なくなる予防策をとっておきましょう。そのためには抗菌コーティングが便利です。
抗菌コーティングする
こちらは、現在使用しているフローリングに抗菌作用のあるコーティング剤を塗布する方法です。先にご紹介したような抗菌効果のあるフローリングにリフォームしなくても、同様の効果が安価に得られます。
また、コーティングをするとフローリンが汚れにくくなったり、汚れても綺麗に落ちやすいとうい効果があるので掃除の負担を軽減することができます。
このように、フローリングの抗菌・抗ウイルス対策ならコーティングがおすすめです。では、その詳細も確認しておきましょう。
フローリングの抗菌コーティングとは?
リフォームよりも費用が抑えられ、抗菌グッズを使うよりも手間を省ける抗菌コーティングとは一体どのようなものなのでしょうか。ここでは、抗菌コーティングの効果や費用について、さらに詳しくお伝えしていきます。
効果
抗菌作用のあるコーティング剤を塗布することによって、細菌の増殖を抑えることができ、清潔を保ちやすくなります。
また、コーティング剤は、表面の細かいでこぼこにも入り込むため、元ある傷も目立ちにくくなります。さらに、表面をコーティングすることで新たに傷がつくのを防ぎ、光沢が出て見た目も美しくなる効果があります。
このような効果は比較的長期間持続しますので、傷の少ない美しい状態がそのまましばらく続きます。
施工方法
抗菌コーティングは、塗装会社やハウスクリーニング会社に依頼することもできますし、市販のコーティング剤を購入して自分で行うこともできます。
自分で行う場合は、床のワックスがけをイメージすると良いでしょう。最初に床の汚れやホコリ、ゴミなどを取り除き、綺麗な状態にします。その後、コーティング剤をムラなく塗って乾燥させます。水分の多いものは、コーティング剤を塗った後、乾拭きの必要なものもあります。
細かい工程は商品によって異なりますが、想像するよりも簡単に施工することができますので、DIYでやってみようかなと考えている方は安心してください。
費用
業者に依頼する場合の相場は2万5千~15万円ほどです(施工する部屋の広さによっても変動します)。一方でDIYの場合は2,000円~6,000円ほど、高くても10,000円以内で購入できますので、業者に依頼するよりも非常に安く済ませることができます。
フローリングの抗菌ができるおすすめコーティング剤
ここでは、DIYでフローリングの抗菌コーティングをするときにおすすめのコーティング剤をご紹介します。
野口商事 最強パワー 強力 防カビ剤 【 B-10 スプレー 】
業務用の強力な抗菌作用のある防カビ剤です。フローリングだけでなく畳にも利用可能で、ほかにもクローゼットや押し入れ、下駄箱に利用できます。細菌の増殖とカビの発生を防止することで、防臭効果も期待できます。薄めずにスプレーし、そのまま触らずに乾燥させるだけでOKです。
業務用ウレタン樹脂ワックス 1L 専用洗浄液付き (KIS)[w-001]
ハウスクリーニング業者も実際に使用している業務用の床用抗菌ワックスです。専用の洗浄剤もセットになっているため、コーティングの前のクリーニングのことを考えても非常に便利です。わかりやすく手順が書かれた専用の説明書も同封されていたり、プロスタッフに無料で相談できるというのも安心です。
お掃除ソムリエ ラミネア・グロス フローリング用 ツヤ出し保護コートクリーナー
このコーティング剤を使っていつものようにお掃除するだけで、抗菌ガラスコーティングができるという商品です。ナノコロイドという成分を配合し、花粉やダニ、皮脂など頑固な汚れも落とすことができます。ホコリや毛玉などを取り除いた後にスプレーし、雑巾やフローリングワイパーで洗剤を拭き取り、その後再度、乾拭きすればコーティング完了です。
フロアコーティングで抗菌対策も万全に!
フローリングは、ホコリや食べこぼし、足裏の皮脂など汚れが溜まりやすいため細菌やウイルスが増殖しやすい環境です。こまめに掃除をしてもキリがないでしょう。やはり、しっかりと抗菌対策をしておくことが大切です。
そこでおすすめなのが抗菌コーティングです。費用や手間を考えたときに、もっとも現実的で取り組みやすいからです。業者に依頼しても、リフォームと比べて4分の1以上の費用で済みますし、DIYする場合はどんなに高くても1万円までの出費で対策できます。
市販品を利用すれば簡単に自分でコーティングできるものがありますので、まずはここから対策を始めてみてはいかがでしょうか。